四柱推命で見えた財運の正体

「財運」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。占いの世界ではよく使われる言葉です。これを「金運」と言い換えても良いでしょう。占いの世界では「私の金運は?」とか「あの人の金運は?」という感じで使われます。

琉球四柱推命の分析鑑定でも時代の影響でしょうか、財運、金運に関する相談が多くなってきました。ただこの作用を簡単に説明することはできません。なぜなら財運や金運の作用が人間の意識と深く関わる複雑な背景を持っているからです。こういう話をすると、誰もが考えるのが占術の何らかの技術を駆使して自分の金運を変える方法はないのかということでしょう。

以前、このような相談がありました。「先生、何とかならないでしょうか。何か方法はないのでしょうか」。相談に訪れた女性は自営業をしているご主人の仕事がうまくいかないのを心配していました。そこで四柱推命の基礎資料を見てみました。聞けば最近はご主人の商売がうまくいっていない、それも失敗続きだということでした。

「たしかにご主人は最近は低迷した時期に入ってますね。自営業を始めたのは最近ですか?」。このように聞くのは厳しい周期に入ってから自営業を始める人が多いからです。誰でも低迷した時期に入ると仕事がうまくいきません。こうした時期に勤めていた仕事を辞めて独立する人が多いのです。こうした時期に独立すれば厳しい現実が待っています。かえって独立したために余計に苦しくなることもあります。

「主人が自営業を始めたのはだいぶ前のことです。以前はうまくいっていたのですが・・・」。そこでご主人の四柱推命基礎データをみると、低迷した時期に入ったのは数年前であることがわかります。それ以前の時期をさかのぼると、その前の周期は安定した時期であり、特に商業には一番良い時期でした。いわゆる財運、金運が強くなる時期に当たっていました。なるほどこのような時期であれば、商業などは順調に進むものです。

「ご主人が自営業を始めたのは今から二十数年前ですか?」。このご主人の金運の強くなる時期は、彼が二十代の後半くらいの時期から入っていました。不思議ですが、良い時期に入ったとたんに、まるでその時期を知っていたかのように行動する人がいます。

「たしかにその頃だと思います。どうしてわかるのですか?」。相談者の奥さんは驚いたような顔をしました。その奥さんは先ほどご主人の事業は以前はうまくいっていたと言いました。もしそうなら、こうした時期以外に考えられません。

財運、金運というのはたしかに存在するのです。それは「運」という文字の通りに周期として巡ってきます。このような周期が巡ると、どんな人でも現実的な感性が急に鋭くなります。感性が鋭くなれば、他人が気づかないようなことも気づくようになります。それはお金儲けの方法などにも及びます。ふだんは商才のない人でも優れたシャープな判断ができるようになります。それが財運、金運と呼ばれる運気の正体なのです。

その作用は実務的な能力の向上だけではありません。実際には物質的なものを引き付ける未知の磁力的な作用も発生するのです。ですからこうした時期に商売を始めれば、大衆を引き付ける磁力が作用して商売を繁盛させることができます。こうした意識の磁力作用は人間の無意識の内部に直接作用するようです。それはたとえれば「虫が光に引き付けられて飛んでくる」というようなものでしょう。人間の無意識にもそれに似た作用が働くのです。

「ご主人は現在、商売にはよくない周期に入っています。ですから商売がうまくいかないのです」。こうした周期が巡るのは、普通の人は生涯に一度あるかないかです。非常に面白いのですが、こうした周期が子供の時期に巡ると優秀な成績で一流大学に進学する子供が多いのです。これも現実感覚が優れる作用のなせる業でしょう。子供でも物質志向が強まれば自分の将来を予感して勉強に走るのです。その反対に老齢になってからこうした周期が巡ると、急に元気になって社会的な活動に精を出す人もいます。

「何とかして元の時期に戻すことはできませんか?」。相談者の奥さんは必死でした。私が運命を変える何か良い方法を知っているのではないかと考えているようです。ただ、過ぎ去った運気をもとに戻す方法はありません。大事なのはそうした自然界の運命法則を変える方法ではなく、自分自身がそれに合わせて生きることなのです。そこで私は言いました。「これから新しく手を広げるのはとても危険です。これまでやってきた地道な方法を堅実に維持してください」。

ご主人の周期サイクルをみると、これから先に大きな変化はありません。ですから財運や金運などの周期が過ぎ去った後に、さらに事業などを展開していくのは危険なことなのです。多く人はこうした運命の法則を知らないので、無理にあの手、この手で事業を展開していこうと考えます。ただどんなに奮闘しても、以前のように業績を上げるのは難しいでしょう。

「昔の良い時期に蓄えた資本はまだ残っていますか?」。低迷した周期に入れば、好調な周期に蓄えた資本を維持しながらコツコツとやっていくのが基本です。幸いにもその相談者は昔蓄えた資本が残っていました。私はその資本を慎重に扱っていくようにアドバイスしました。

自分の運命の流れを知ることは大事なことです。もし、そのご主人が自分の運命をまったく知らず、意地になってガムシャラに資金を投入して頑張れば、取返しのつかない大失敗をする可能性が高くなります。

それは台風の時期を知らずに外に出かけるようなものでしょう。台風を事前に予測できれば、それに合わせた対策を講じることができます。琉球四柱推命の運命分析もこれと同じようなものです。良い周期が過ぎ去るとわかれば、それに合わせた対策を施せばよいのです。このような柔軟な生き方をすることで、未来に不幸に陥ることも少なくなります。こうした知識を身に着けることで、人は運命の波に翻弄される存在ではなく、反対に自分の運命を上手に利用できる存在になれるのです。

2019年09月26日