なぜ四柱推命で未来が読めるのか

こういう特殊な「仕事」をしていると、様々な偏見や誤解を受けることがよくあります。

 

「琉球四柱推命」の「占いカウンセリング」をただの「占い」と思い込んでいる人には「占いなんてインチキに決まっている」「人の未来のことなんでわかるわけがない」と考える人々がいます。

たしかに世間に出回っている「占い」の中にはインチキめいたものが多いのは事実ですし、また人の未来がすべて決まっているわけではありません。

「琉球四柱推命」も「超能力者」の透視能力のように未来をみているわけではなく、あくまでも「深層心理」の変化を「統計的」に予測しているに過ぎません。ただ、そうした事実を知らない人は最初から「偏見的」な態度で接してくる人がいます。

以前、このようなことがありました。その人は50代くらいとみられる男性の方でした。占いや拝みごとの好きな奥さんに連れられて仕方なく付いてきたようです。

奥さんはこういう「神秘的」なものを好む人で、私の話を楽しそうに聞いていました。しかしご主人の方を見ると何とも「不快」そうな顔をしており、言葉の端々にそれが現れていました。いかにも「インチキ」と言いたげな表情で私の言葉の粗探しをしていました。ただ私は長い期間の研究を得て自信を持っているので、気を強くもって冷静に望みました。

そんな私の表情を察知したのか、ご主人は突然、挑発的に言いました。「私の運命がわかりますか?」

その言葉とは裏腹に「生年月日だけで人の運命がわかってたまるか」「絶対にインチキに決まっている」という考えが見え隠れします。これは一種の「挑戦状」のようなものでしょう。私はご主人の「生年月日」から計算された「基礎データ」を見ました。

ただ、ご主人の正確な「生誕時間」が不明なのが気がかりでした。四柱推命は「占星術」の一種ですから、「生誕時間」も非常に重要な要素になります。「生誕時間」が不明だと「時差」の影響で「生日」が変わったりすることがありますし、また「生日」が変われば「判断」のすべてが狂ってきます。四柱推命では「生日」が非常に重要なウエイトを占めているのです。しかし実際には「生誕時間」が不明な人がたくさんいます。

「生誕時間」が不明の場合は、その人の「生日」が正しいことを前提として占いカウンセリングを進めねばなりません。このご主人の場合もそうした事例に当たるので、判断は慎重に進める必要がありました。こうした場合、「運気」の流れなどを使いながら、「生日」が変化してもあまり影響の少ない要素を確認しながら進めます。そのご主人の運気をみると、ある時点で気にかかる箇所がありました。そのご主人が40代くらいの時点で、今から10年前くらいの時期でした。

その年は運気の「不調和」をひき起こす時期、つまり「琉球四柱推命」でいうところの「不和年」という年に当たっていました。「大運」や「命式」を総合的に判断して間違いないと思ったので、その判断をご主人に告げました。「今からちょうど10年くらい前の年、〇〇年にご主人の親に関する悪い暗示が出ています」「この年にご主人の親に関係することで何か悪いことが起きましたか?」

最初、ご主人は思い出すかのように過去の「記憶」をたどっていましたが、しばらくするとぼそっと呟きました。「その年に私の親が亡くなりました」

私はたいして驚きませんでした。何度もこうした「事例」を見てきているので、今さら驚くこともありません。むしろこのような運気の極端に不安定になる時期に「何もない」というのがおかしいのです。

ただ注意しないといけないのは、こうした時期に必ず「親」がなくなるわけではないということです。このご主人の運命パターンから読み取れるのはあくまでも「その人の親に関係する悪い暗示」に過ぎません。なぜなら人の「死ぬ時期」があらかじめ決まってるわけではないからです。四柱推命は「宿命論」ではありません。

運命の研究からわかったのは、家族の運命が「家族全体」と深く関わりシンクロしていること。そして家族間には深いレベルの「結びつき」があるので、たとえば子供の運気の中に親に関する「悪い暗示」が出ることがありますし、その反対に親の運気の中に子供に関する「悪い暗示」が出ることもあります。ただその悪いできごとの現象はその家族の持つ「カルマ」などにより様々ですから、一概に判断できるわけではありません。

「占いカウンセリング」の際にはその人の「生年月日時」が示す「深層心理」の傾向性を分析し、さらに現在の「運気」を示す大運や年運の要素を加えて判断していきます。その際は家族がその「個人」に深く関わるので、特に両親の影響が絶大ですから、可能であれば両親も同時に鑑定分析すると予測の「精度」が向上します。

親に関する悪い出来事を〇〇年という時期まで言い当てたことで、そのご主人はそれ以降すっかりおとなしくなり、アドバイスを素直に聞いてくれるようになりました。ただ、このご主人のような「懐疑的な人」が多いのは事実でしょう。その背景には確たる技術もなく「安易な占術」を使って人の運命を占っている人々がいますし、また単に「お金儲け」の目的の人々がいますし、またそうした「真偽」を見分けきれない悩める人々が多数いるのも事実でしょう。

「正統派の四柱推命」は2千年以上の歴史をもつ「統計心理学」であり、単なる「占術」ではなくて本来は「深層心理学」ですから、正しい使い方を心がければ悩める現代人にも非常に「有益」なものとなります。将来は「占術」の枠を超えて新しい「統計心理学」「深層心理学」として確立できれば、その評価も大きく変わってくるのでしょう。


 

 

2019年09月19日